今回は、最近話題になっている「子どもロコモ」について、詳しくご紹介したいと思います。
子どもロコモとは、高齢者に多い運動器の障害が子どもにも起こる現象のことです。
コロナ禍やスマホの普及などにより、子どもの運動不足が深刻化しています。
子どもロコモは、放っておくとケガや病気のリスクが高まり、心身の発達にも悪影響を及ぼします。
そこで、この記事では、子どもロコモの現状、原因、対策法を分かりやすく解説します。
子どもの健康と未来のために、ぜひ参考にしてください。
子どもロコモの現状
子どもロコモは、ロコモティブシンドローム（運動器症候群）の略称です。
ロコモティブシンドロームとは、加齢によって骨や関節、筋肉などの運動器が衰えて、立ったり歩いたりすることが困難になる症状のことです。
しかし、最近では、子どもにも同様の症状が見られるようになっています。
子どものロコモは、以下のような特徴があります。
- 姿勢が悪い
- 骨折しやすい
- 転んだときに手が出せない
- 筋力や柔軟性が低い
- 運動能力やバランス感覚が低い
子どものロコモは、日本だけでなく、世界的な問題になっています。
WHO（世界保健機関）は、2018年に「世界の子どもの運動不足に関する報告書」を発表しました。
その中で、11歳から17歳の子どもの81％が、1日に1時間以上の中等度以上の身体活動を行っていないと指摘しています。
また、日本では、文部科学省が毎年実施している「学校保健統計調査」によると、小学生の運動時間は年々減少傾向にあります。
2020年度の調査では、小学生の平均運動時間は1日あたり約1時間で、男子は1時間4分、女子は58分でした。
これは、WHOが推奨する1日1時間以上の運動時間を満たしていないことになります。
子どものロコモは、運動不足による運動器の低下だけでなく、心や脳の発達にも影響を与えます。
運動は、ストレスの解消や気分の向上、集中力や記憶力の向上など、精神的な健康にも重要な役割を果たします。
子どものロコモは、子どもの健康と幸せを奪う可能性があるのです。
子どもロコモの原因
子どもロコモの原因は、主に以下の3つに分けられます。
- 運動不足
- 生活習慣の乱れ
- 過度なスポーツ
運動不足は、子どもロコモの最大の原因です。
運動不足になる理由は、さまざまですが、代表的なものは以下のようなものです。
- コロナ禍による外出自粛や学校休校
- スマホやゲームなどの画面に向かう時間の増加
- 遊び場や遊び相手の不足
- 親の過保護や過干渉
運動不足により、子どもの骨や筋肉は十分に発達しません。
骨は、適度な負荷がかかることで強くなりますが、運動不足では骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります[^5^][5]。
筋肉は、使わないと衰えてしまいます。
筋力が低下すると、姿勢が悪くなったり、バランス感覚が低下したりします。
また、運動不足は、免疫力の低下や代謝の低下にもつながり、感染症や生活習慣病のリスクも高めます。
生活習慣の乱れも、子どもロコモの原因のひとつです。
生活習慣の乱れには、以下のようなものがあります。
- 偏った食事
- 不規則な睡眠
- 長時間の座りっぱなし
偏った食事は、子どもの骨や筋肉の成長に必要な栄養素が不足することになります。
特に、カルシウムやたんぱく質、ビタミンDなどは、骨や筋肉の材料となる重要な栄養素です。
これらの栄養素が不足すると、骨がもろくなったり、筋肉が発達しなかったりします。
また、ファーストフードやお菓子などの高カロリーな食事は、肥満の原因になります。
肥満は、骨や関節に過度な負担をかけるだけでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクも高めます。
不規則な睡眠は、子どもの成長ホルモンの分泌に影響します。
成長ホルモンは、主に深い眠りのときに分泌されますが、睡眠時間が不足したり、睡眠の質が悪かったりすると、分泌量が減少します。
成長ホルモンは、骨や筋肉の成長だけでなく
不規則な睡眠は、子どもの成長ホルモンの分泌に影響します。
成長ホルモンは、主に深い眠りのときに分泌されますが、睡眠時間が不足したり、睡眠の質が悪かったりすると、分泌量が減少します。
成長ホルモンは、骨や筋肉の成長だけでなく、免疫力や脳の発達にも必要なホルモンです。
不規則な睡眠は、子どもの成長に悪影響を及ぼすだけでなく、昼間の活動や学習にも支障をきたします。
長時間の座りっぱなしは、子どもの姿勢や血流に悪影響を与えます。
長時間の座りっぱなしは、背骨や骨盤の歪みや筋肉の緊張を引き起こします。
これにより、姿勢が悪くなったり、腰痛や肩こりなどの不快な症状が出たりします。
また、長時間の座りっぱなしは、血液の循環が悪くなり、血栓や動脈硬化のリスクが高まります。
血液の循環が悪くなると、酸素や栄養素が十分に体に届かず、疲労や集中力の低下などの問題が起こります。
過度なスポーツは、子どもロコモの原因になることもあります。
過度なスポーツとは、無理なトレーニングや競技によって、骨や関節、筋肉に過剰な負荷がかかることです。
過度なスポーツは、骨折や捻挫、肉離れなどのケガの原因になるだけでなく、成長期の子どもの場合は、骨や関節の発育にも悪影響を与える可能性があります。
過度なスポーツは、子どものやる気や自信を奪うこともあります。
スポーツは、楽しく適度に行うことが大切です。
子どもロコモの対策法
子どもロコモの対策法は、以下の3つに分けられます。
- 運動習慣の定着
- 生活習慣の改善
- スポーツの適切な指導
運動習慣の定着は、子どもロコモの予防と改善に最も効果的な対策です。
運動習慣の定着には、以下のようなポイントがあります。
- 子どもの興味や好みに合わせて、楽しく運動する
- 親や友達と一緒に運動する
- 日常生活に運動を取り入れる
- 運動の効果や目標を意識する
子どもの興味や好みに合わせて、楽しく運動することが、運動習慣の定着に重要です。
強制的に運動させると、子どもは嫌気がさしてしまいます。
子どもが好きなスポーツや遊びを見つけて、楽しく運動させましょう。
また、親や友達と一緒に運動することも、運動習慣の定着に効果的です。
親や友達と一緒に運動すると、子どもは楽しさややりがいを感じやすくなります。
また、親や友達とのコミュニケーションや協力も、子どもの社会性や人間関係の発達に役立ちます。
日常生活に運動を取り入れることも、運動習慣の定着に役立ちます。
日常生活に運動を取り入れる方法は、以下のようなものがあります。
- 学校や買い物に自転車や徒歩で行く
- 階段を使う
- 家事や掃除を手伝う
- 休み時間や放課後に外で遊ぶ
これらの方法は、特別な時間や場所を必要とせず、気軽に運動できる方法です。
子どもにとっては、運動というよりは遊びや生活の一部として感じられるでしょう。
しかし、これらの方法は、骨や筋肉に適度な負荷をかけることができ、運動不足の解消に効果があります。
運動の効果や目標を意識することも、運動習慣の定着に重要です。
運動の効果や目標を意識することで、子どもは運動の意味や価値を理解しやすくなります。
また、運動の効果や目標を意識することで、子どもは運動の成果や進歩を感じやすくなります。
運動の効果や目標を意識する方法は、以下のようなものがあります。
- 運動前後に体重や体脂肪率などを測る
- 運動前後に体の柔らかさや筋力などをチェックする
- 運動の記録やグラフをつける
- 運動に関する知識や情報を学ぶ
これらの方法は、子どもに運動の効果や目標を具体的に示すことができます。
子どもは、自分の体や能力が変化していることを実感でき、運動に対するモチベーションや自信が高まります。
また、運動に関する知識や情報を学ぶことで、子どもは運動の仕組みや理由を理解でき、運動に対する興味や関心が深まります。
生活習慣の改善は、子どもロコモの予防と改善に効果的な対策です。
生活習慣の改善には、以下のようなポイントがあります。
- バランスの良い食事をとる
- 規則正しい睡眠をとる
- 長時間の座りっぱなしを避ける
