おそばやさんの用語辞典(あ)

あげざる(揚げざる)
そばを茹でる大きな釜からそばをすくい上げるざる。竹で編まれている。ステン製の物もあり。すくったそばをこのざるにのせたまま冷水で洗う。蕎麦用揚げざるとうどん用揚げざるがある。網目の細かさが異なる。

あさびき(朝引き)
昨晩出前した容器を翌朝回収に廻ること。

あしがはやい(足が速い)
これはお蕎麦屋さんだけでなくて飲食店全般で使われていると思いますが、腐りやすい、悪くなるのが早いと言う意味です。お蕎麦屋さんの食材で特に足が速いものといえば、なめこ、卵、山芋、…、でしょうか。

あじのそうじょうこうか(味の相乗効果)
グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸を含むと、1+1+1=3以上の効果を得ること。早い話が、一つ一つ味わうよりすごく美味しくなるということ。

あしふみ(足踏み)
うどんの生地を足で踏んで鍛えること。こうする事により煮くずれしにくい、弾力のあるうどんが出来る。

あつけずり(厚削り)
厚削り だしを引く(とる)ために厚く削った鰹節。普通は花かつおのように薄く削るが、蕎麦屋さんではこの厚削りが用いられる。

あつむぎ(熱むぎ)
冷麦を茹で、冷水で締めてから更に湯通しして、温かい辛汁で食べるメニュー。

あつもり(熱もり)
もりそばを冷水で締めてから、更に湯通しして、温かい辛汁で食べるメニュー。

あまじる(甘汁)
かけそば等のように丼に入っているつゆ。飲むための汁。

あんちゃん
前日作った残り物の意。主に残り物の天ぷら等を指す。開店直後に入店して注文した後、「あんちゃん出してぇ?」などと聞こえたときには、不運を嘆こう。

いしうすびき(石臼挽き)
石臼製粉機石臼で挽いたそば粉。挽くときに熱を持たないのでそばの風味を損なうことなく挽くことができる。 左は製粉会社が使っている石臼製粉機。でっかい石臼で本当に挽くのだ。

いそあげ(磯揚げ)
天ぷらを揚げる鍋に角度を付けて、油面に浅いところと深いところが出来るようにして揚げること。最初浅いところで天ぷらの衣を整え、その後、沖の方に海老を泳がせて揚げる。

いたわさ(板わさ)
蒲鉾に山葵を添えた肴。私はどうしても本わさにこだわりたい。

いちばんこ(一番粉)
そばの実を挽くと最初に出てくる胚芽の中心部分が粉になった物。色は白く、そば本来の風味はないが、ほのかな甘味と香りがある。たんぱく成分を殆ど含まないのでつながりにくい。生粉打ちにするには湯ごねする。

いなかそば(田舎そば)
昔ながらの挽きぐるみの粉を使って打った黒っぽいそば。

いのしんさん(イノシン酸)
鰹節に含まれる旨味成分。

うすいろしょうゆ(うすいろ醤油)
濃口醤油の味そのままに、色だけ少し薄くした醤油。甘汁の色が濃いと、しょっぱいと誤解されるので最近はうすいろ醤油を使う店も多い。これは福岡株式会社とヒゲタ醤油の共同開発商品だが、今はどのメーカーでも発売している。

うちこ(打粉)
麺と麺、麺と打ち台がくっつかないように振る粉。そば打ちのときには一番粉、うどん打ちのときは小麦粉を使う。のしの時に打粉もそばに打ち込まれていくので良質のものを使う。

えちけっと(エチケット)
そばは庶民の食べ物だから、決まった作法など本来は無い。せっかちな江戸っ子が「そばは噛むもんじゃなくて呑むもんだ」とか、「死ぬ前に一度そばを汁にたっぷりつけて食べたかった」とは、落語のネタだが、好きなように食べていい。ただ、ひとつだけ言うとするなら、猪口はやはり手に持って食べよう。下に置いたまま食べるのは犬食べだ。広めの猪口にかき揚げが浮いていたりするものはその限りではないとは思うが。

えびきり(海老きり)
海老を使った変わりそば。赤色となる。

おかめ
現在の根津の「太田庵」が幕末に考え出したメニュー。おかめの顔になぞらえて具を並べた。娘の髪型をかたどって湯葉を結んだ物をのせ、ほっぺたになぞらえて蒲鉾を2枚並べた。蓋をして出して、蓋を取ったときにおかめの顔が出てくるので当時の江戸っ子には最高にうけた。今なら「アンパンマンそば」とかだったら子供にうけるかな? このアイデア freeware と言う事でどうでしょう。(^^;

おかれい(丘冷)
海老を陸揚げしてから冷凍した物。cf.船冷

おっかけ(追っかけ)
朝仕込んだものでは間に合わなくなって、急にそばを打ったり、うどんを煮たり、だしを取ったりする事。3時頃「追っかけ」してると、「今日は予想外に忙しかったんだな」っと判断する。予想が甘かった、ということもあるかもしれない。

おばけ
揚げ玉と油揚げを両方のせた物。キツネとタヌキのばかし合で「おばけ」

おそばやさんの用語辞典(か)

かえし
「本がえし」、「生がえし」、「半生がえし」があり、どれも醤油と砂糖、みりんを合わせて保管し、これとだしを合わせてそばつゆを作る。

かけがみ(掛け紙)
出前の時に、薬味が風で吹き飛ばされないように薬味皿を包む紙。薬味紙とも言う。自分のお店の屋号や電話番号を記してPRも兼ねている。四季によってこの紙の絵柄を変えるような粋な店は今は少ない。

かつおぶし(鰹節)
お蕎麦屋さんのだしを取るために使う。くん臭が強く、やわらかな鰹の風味とすっきりとしたコクが特徴。本節ともいう。

かっぱばし(合羽橋)
東京では言わずと知れた飲食店向けの道具街。お蕎麦屋さんで使う道具、食器、何でも揃う。

かまあげうどん(釜揚げうどん)
茹であがったうどんを冷水で締め、更にもう一度熱湯にくぐらせて湯と共に湯桶などに入れて提供するメニュー。本場讃岐では冷水で締めずに釜から揚げたそのままを出す。

かままえ(釜前)
職人の職階の一つ。釜の前に陣取って、麺を茹でる事を担当する人。昔は釜が薪だったので火加減の調整が難しかった。

からじる(辛汁)
もりそばなどに用いられる汁。からめる汁。

かわりそば(変わりそば)
そばに抹茶、笹粉、海老、菊、柚子、ごま、けし、卵等を入れて色を付けたそば。

きこ(生粉)
そば粉100%のそば。

きこうち(生粉打ち)
生粉で打った蕎麦。

きしめん
名古屋名物の幅広のうどん。

きそば(生蕎麦)
本来はそば粉100%のそばを指すが、今ではそおいう店は希である。従って、のれんに「きそば」と記してあってもつなぎを入れてないそばを提供しているとは考えないほうがよい。

きねうちちからもち(杵つき力(R)餅)
そば粉に石臼引きがあるように、お餅には杵つき餅があります。もちろん、機械でではありますが、本当に杵でトントンつくのです。

きばちした(木鉢下)
木鉢下初めは作業をし易くするために鉢を乗せた丸桶の事を意味した。が、やがて、その桶の中に保管したそば粉と小麦粉の混合粉を指すようになった。

ぐあにるさん(グアニル酸)
椎茸に含まれる旨味成分。

くちみりん(くち味醂)
辛汁の味の調整に最後に加える味醂。フランス料理で言えばシェフの最後の「塩のひとふり」ってやつです。これには飲める味醂を使う事が肝腎。

くちもの(口物)
大口注文の事。

ぐるたみんさん(グルタミン酸)
昆布に含まれる旨味成分。

ぐるてん(グルテン)
たんぱく質のグルテニンとグリアジンが主体となって形成する粘着性の物質。こいつが含まれているため小麦粉はよくつながる。

くるま(車)
車海老の事。天ぷらそばとするには最も高級。東京の所謂老舗はたとえ小さくても大概車海老を使っている。独特の旨味がある。こいつを食べつけると他の海老天は…。

けしょうみず(化粧水)
「けしょうすい」じゃぁないですよ。洗い桶で洗ったそばに、もう一回かける水。

ごぜんがえし(御膳がえし)
かえしに更に同量の味醂を加えて作ったかえし。もり汁とざる汁を区別している店ではざる汁用に用いられた。

こなやけ(粉焼け)
粉を挽くときなどに、粉に熱が加わり風味を損なってしまうこと。

おそばやさんの用語辞典(さ)

ささぎり(笹切り)
笹粉を混ぜた変わりそば。

さばぶし(鯖節)
お蕎麦屋さんのだしを取るために使う。鯖の生っぽい風味と、甘味のあるまろやかなコクが特徴。

さらしなこ(さらしな粉)
そばの実の一番芯の部分の粉。真っ白で変わりそばに多く用いられる。

さんたて(三立て)
挽きたて、打ちたて、茹でたてがうまい、の意。ただし、打ちたてはうまくないとする説もあり。打ちたては麺体の中に空気を含んでおり、うまく釜で茹でられないからだ。

さんばんこ(三番粉)
二番粉を更に挽くと出てくる粉で、甘皮部分も多く含まれている。そばの風味は一番多く、栄養価も高いが、繊維質が多く味や食感は劣る。

しいたけ(椎茸)
お蕎麦屋さんで椎茸が用いられるのはおかめそばと鍋焼きうどんくらいのものであろう。どちらも椎茸を甘辛く煮付けたものを使う。椎茸には肉厚の「どんこ」と肉の薄い「香信」という種類がある。「どんこ」は主に中華で用いられ、蕎麦屋さんは味を付けやすい「香信」を使う。大分産が最も高級。異様に硬い椎茸に出くわしたら中国産と見て良い。

しおみりん(塩みりん)
みりんは酒税がかかるので、飲料にできないように塩を加えて課税を逃れた味醂風調味料。

しちみとうがらし(七味唐辛子)
唐辛子・胡麻・陳皮・芥子・菜種・麻の実・山椒などを砕いて混ぜ合わせたもの。なないろとうがらし、とも言う。この七味にこだわる店もある。最近は柚の香りのする柚七味も人気がある。

してん(支店)
暖簾分けして出した店。支店といっても独立採算でフランチャイズでない店が殆ど。

しんそば(新そば)
11月頃の収穫したてのそば。色はうぐいす色をしており、風味も高い。ただ、100%新そばを入手するのは普通の店では困難。なぜなら、製粉会社としても在庫をさばかなければならないからだ。

すえこ(末粉)
三番粉を更に挽くと出てくる甘皮や子葉部分。蕎麦屋さんでは殆ど用いられない。乾麺や生麺用に用いられる。

すだれ
せいろに引くそばを乗せる竹で編んだ物。裏口とか、玄関先にこいつが沢山干してあると、「今日は暑かったから忙しかったんだな」とか、「冷たいそばが沢山出たな」とか判断できる。

ずるだま(ずる玉)
鉢で粉を揉む際、加水を多くした(そばの)玉。柔らかいので揉むのに力が要らない。仕事をずるける事から来た言葉。仕事は楽だがそばにつやがなく、食感も落ち、風味も落ちる。

せんれい(船冷)
海老を海上で採ったら、即その船の中で冷凍すること。鮮度が保たれる。

そうだぶし(宗田節)
お蕎麦屋さんのだしを取るために使う。宗田かつお。雑っぽい香りと苦み、雑味のあるコクが特徴。

そといち(外一)
そば粉10に対し、割り粉外一といったら、そば粉:割り粉=10:1の事。

そばあめ(そば飴)
そば粉を使った飴。砂糖一切使わなくても甘みがある。

そばあれるぎー(蕎麦アレルギー)
そば粉に対するアレルギー体質の事。自分が後天的にこのアレルギーになってしまった人もおり、そばをやめてうどん屋になってしまった人もいる。

そばがき
そば粉を湯で手早くといて、団子状にした物。そばつゆや生醤油で食べる。

そばこめ(そば米)
玄そばを蒸してから剥いて、乾燥し、磨いてお米のような形にした物。そば雑炊やそばぜんざいに用いる。

そばちゃ(そば茶)
そば米を焙煎して作られる。たんぱく質、ビタミン類、ルチンなどが豊富に含まれ、タンニンやカフェインを含まないので嗜好飲料というよりは健康茶といった位置付けか。

そばちょく(そば猪口)
訛って「そばちょこ」とも言うが、正しくはそばちょくと発音する。もりやざるなどの付け汁を入れて、そばをそこに浸す器。

そばのひ(そばの日)
毎月晦日は「そばの日」となってます。ちなみに毎月18日は「長寿庵の日」で、11月18日は「いいそばの日」です。

そばぼうろ
そば粉を使ったクッキーのようなお菓子。京都河道屋が元祖。

そばみそ(そば味噌)
なめ味噌と、味噌汁タイプの二通りある。なめ味噌は甘味噌と抜き等を混ぜた物。お酒のお通しとして気がきいている。味噌汁タイプのものは、普通の味噌の米こうじの代わりにそばこうじを使った物。

そばやのこんくらい(そば屋のこんくらい)
蕎麦屋さんに、「○○はどれくらい使うのか?」と聞くと、なんでも「こんくらい」と言って、手真似で示すこと。何でも数量的に把握していない事を揶揄していった言葉だが、実際に手の感触で確かめるという事は重要。湿り気などは実際に粉の状況を感触で確かめなければ加減できない。数量だけでは決められないのだ。

そばやのさけ(そば屋の酒)
一般に「蕎麦屋の酒はうまい」とされる。お酒が貴重品だった明治の頃、酒を主に提供する居酒屋や寿司屋はいい酒をそうでもない酒で割って出すのが普通だった。しかし、酒を提供するノウハウをさして持たなかった蕎麦屋はいい酒をそのままのばさずに提供した。したがって、蕎麦屋ではうまい酒が呑める。と、されたらしい。
最近は久保田だとか八海山だとか、所謂銘酒を置くよなところも多い。が、酒を提供するノウハウという点で明治の頃から蕎麦屋はどれくらい進歩しているのだろうか。

おそばやさんの用語辞典(た)

たけのこ(竹の子)
主に鍋焼きやおかめに使われている。中国産の物は黄色く硬い。 中国産は麻竹(まちく)とも呼ばれる。

だそば(駄そば)
駄は、つまらないもの、粗悪なものという意味。これをそばにつけて駄そば、それを扱う店が駄そばや。自信満々のお店が他のお店を軽蔑して使うこともある。

ためざる
揚げざるからそばを移して、余分な水分を切るのに使う。竹で編まれている。

たんぽ
辛汁を入れて湯煎するときに用いる素焼きの細長い容器。土たんぽとも言う。

ちゃそば(茶そば)
抹茶を混ぜた変わりそば。あまりそば粉を入れ過ぎるとつながらない。

つらみず(面水)
揚げざるですくい揚げたそばに間髪入れずに手早くかける水。

てうちしき(手打ち式)
写真のような手打麺機を用いて、手打のようなそばを作ること。左は生地(これは1kg玉)をのしているところ。右は切っているところ。

てごね(手ごね)
そばを造る工程で一番重要なこねの部分は手で行っているという意。

でまえみせ(出前店)
出前が主力の店。宿があまり利かない店。立地条件のあまりよくない店の事を指す。

とおりぬけ(通り抜け)
出入りの商人が表口から入って裏口から出る事。また、その逆。店を通り抜けていく事で、お金が通り抜けていくとして嫌われる。只、最近気にする人はあまりいない。昔は掃除をするときも埃を外の方に掃かず、店の方へ店の方へとはいてちりとりでとった人もいたそうだ。

としこしそば(年越しそば)
大晦日に縁起をかついで食べるそば。宣伝しなくても食べ手が勝手に縁起をかついで食べに来てくれる。(笑)

どりっぷしきちゅうしゅつ(ドリップ式抽出)
ドリップ鰹節を粉砕した粉からだしを抽出する方法。普通は鰹節の厚削りから1時間前後煮出してだしを引くが、コーヒーを入れるように三角形の濾布の中に鰹節の粉を入れ、上から湯を注いでだしを引く。10分ほどでだしが引ける。使っている人は「とてもいい」と言ってます。なんせ早いからねぇ。(^^;

とりなんばん(鶏南蛮)
鴨南蛮が鴨肉を使っているのと区別して、鶏肉を使った南蛮を鳥南蛮と呼ぶ。類似語 かしわ南蛮

おそばやさんの用語辞典(な)

なかだい(中台)
職人の職階の一つ。種物の具を用意したり、天ぷらを揚げたりする。昔は釜前の方が職階が高かったが、現在では天ぷらを揚げる人が一番ステータスが高いようだ。

ながひやむぎ(長ひやむぎ)
長さ十一寸(36cm)の冷麦。千葉県市川市の川崎製麺の創業者、十三代 川崎 佐次衛門が考案した。川崎家は市川の旧家で代々製塩業を営んでいたが、佐次衛門はこの塩を利用して事業を興せないかと考えていた。そこで播州(兵庫県)で素麺の技術を習得し、素麺より太い方が東京に合うと考え、また当時は畳の上の膳から食べたので、水に浮かした麺の長い方が箸で持ち上げたときに水切りがよく、また喉越しの食感を長く楽しめると考えて長さを十一寸とした。もちろん長くても折れない技術も成功につながった。主に蕎麦屋に勧められて好評を博し、以後業務用は長ひやむぎが定番となった。

なめこ
いわゆる「ぬる」が特徴的な小粒のきのこ。最近この「ぬる」を嫌がる向きもあるが、この「ぬる」がなければ「なめこ」じゃないのだ!
中国産のものには、この「ぬる」は少ないようです。

にしょうごんごう(二升五合)
二升は一升の倍で商売。五合は半升で繁盛。合わせて商売繁盛。希に店先にでかでかと二升五合とか書いてる店も見るが、あんまりいい趣味とは思えない。(^^; 「春夏冬二升五合」というのもある。

にはちそば(二八そば)
そば粉を8に対し、つなぎを2の割合で作ったそば。2×8で16文のそばを意味するという説は誤りとされる。そば粉を2割、つなぎを8割の配合で作ったそばを「逆二八」と言う。

にばん(二番)
主に二番だし(ばか)の事。

にばんこ(二番粉)
一番粉を更に挽くと出てくる胚芽部分や子葉部分。そば本来の風味に優れ、栄養価も高い。

にばんだし(二番だし)
一度だしを引いた鰹節の出し殻から更にだしを取った物。

にゅうめん
素麺を温かくして食べるメニュー。

ぬき(抜き)
そばの実の殻を取った物。

ねぎ(葱)
お蕎麦屋さんには欠かせない三大薬味の一つ。群馬の下仁田、埼玉の深谷の葱が最高とされる。本当は千住の葱がBest of allだが今では高級料亭にしか流れない。葱屋さんという葱専門の業者が蕎麦屋さんに卸している。左は葱を切っているところ。まな板の匂いがつかないように、手に持ったまま切る。これが結構難しい。

のれん(暖簾)
言わずと知れた玄関に掛ける布。これが出ていると営業中を意味し、中に仕舞ってあると営業時間外を示す。最近は「支度中」の札を下げて暖簾は出しっぱなしの店もあるが。また、中で食事する人が外から覗かれないように隠す役割もある。生地は普通は木綿だが夏には麻の暖簾も高価だが清涼感がある。
出入りの商人は裏口から出入りするが、やむを得ず表から入る時にはこの暖簾を手で掻き分けて入るようなことは間違ってもしてはいけない。暖簾に頭が触らないくらい頭を下げてくぐるのだ。

のれんうち(暖簾うち)
同じ屋号の仲間同士の意。

おそばやさんの用語辞典(は)

はいから(ハイカラ)
たぬきそばの事。

ばか
主にばかだしの事。「ばか取ってぇー」とか聞こえても、決して人のことを指しているのはありませんからね(^^;

ばかだい(ばか台)
丼を8個乗せる事の出来る、一番大きな出前のときに用いるお膳。八つ台。

ばかだし
二番だしの事。殆どだしが利かないという説と、ばかにできないほどだしが利くとする説がある。後者が本当だと思う。

ばく
前日の残り物のつゆ。

はちさんねんのしみつきほうちょうみっか(鉢三年のし三月包丁三日)
鉢三年、のし三月、包丁三日。また、一鉢、二のし、三包丁。とも言う。最初が肝腎、鉢でこねるのが一番大事だという意味。これを言ったら「それじゃ、3ヶ月でのしてみろ!」と言われた事もある。語呂合せですから。(^^;これに対し、鰻屋さんでは、裂き三年、串さし八年、焼き一生(チョット不確か)と言うそうで対比がおもしろい。

ばらがけ
ミキサーでこねたそば粉をたまにせず、そのままローラー式製麺機にかけること。やっぱり一度手でこねないとうまくない。

ばんど(バンド)
八つ台。昔ベルトには穴が八つあった事から。でも、あんまり聞かない。

ひきぐるみ(挽きぐるみ)
殻を付けたままそばを挽き、後から篩いで殻を取り除いた物。完全に殻を除去する事は出来ず、黒っぽい色となる。現在は殻をとってから甘皮部分も一緒に挽いた物。やはり黒っぽい色となる。

ひっこしそば(引っ越しそば)
引っ越しをしたときに、向こう三軒両隣と、大家さんに配ったそば。「あなたのおそばに来ました」の洒落。

びなん(美男)
びなん調理士会の事。今で言う人材派遣業で、おそば屋さんに職人を紹介するところ。ちなみに美男は誤変換ではありません。漢字で書くときは美男と書きます。

ひもかわ
きしめんと同じ幅広のうどん。主に江戸で三河の「芋川うどん」が訛って紐革うどんになったとされる。

ふね
切ったそばを入れておく容器。「今日はふねに3杯そばが出た」とか言う。

ふのり
海藻の一種。つなぎとしてそばに練り込む。伸びにくくなるので出前に適。

ぶらっくたいがー(ブラックタイガー)
お蕎麦屋さんで使われる一番ポピュラーな海老。生ではどす黒い色をしているが、茹でたり揚げたりすると鮮やかな赤色になるのが特徴。

ふりざる(振りざる)
そばを温めたり、そばを茹でながら冷麦やうどんなど混ざっては困る違う種類の麺を一緒に茹でるときに使う。

ぶんてん(分店)
店の娘が婿さんをもらって出した店。cf.支店

ほうちょうした(包丁下)
包丁の下にあるような出来たてのホヤホヤのそば、の意。三立てとは言うが、うまく茹だらないので少なくとも15分以上は時間を置いて茹でろ、と言う時に使う。

ほわいと(ホワイト)
ホワイトタイガー。海老の種類で白っぽい色をしている。

ほんてん(本店)
自分が修行して暖簾分けしてもらった店の事。

おそばやさんの用語辞典(ま)

まちく(麻竹)
中国産の竹の子。主に中華料理に使われている。

みかえりはん(三返り半)
さんかえり(三返り)とも言う。そば釜で、麺が3回転半くらいしたらあげる。それくらいで十分茹だるくらいのそばが一番うまいという意。ただ、昔薪で釜を炊いていた時代の言葉で現在のガス釜にも当てはまるかどうかは僕にはわからない。

みきさー(ミキサー)
横型ミキサー縦型ミキサー粉と水を混ぜあわせる機械。そば粉と小麦粉と水を入れて混ぜる。左は横型ミキサー。右が縦型ミキサー。写真はわかりにくいかもしれないが、どちらも非常にきれい。水と粉を直接ミキサーに入れないで、最初に鉢で水まわしをある程度おこなってからミキサーに入れているせいだと思う。

めき(メキ)
メキシコという海老の種類。こいつもなかなか。

めんきょう(麺協)
お蕎麦屋さんの組合。麺類同業者協同組合。

めんたくん(めん太くん)
神奈川県のそば商組合が使っているマスコットマーク。

めんどうをみてもらう(面倒を見てもらう)
納入業者に支払いを待ってもらうこと。

めんろぼ(メンロボ)
上からそば粉と小麦粉を入れると下からそばになって出てくる機械。職人と違って文句を言わずにそばを作り続ける。高価な機械だし、まだ実用的ではないようだ。

もみじ
出前に使う猪口。お宿(店)で使う猪口よりも小さめ。柄にもみじの絵があしらわれているものが多いので、こう呼ばれる。

おそばやさんの用語辞典(や)

やくみ(薬味)
葱(ねぎ)、大根(だいこん)、山葵(わさび)が薬味御三家で、風味を増すと共に、食欲増進、毒消しの効果がある。

やど(宿)
出前に対して、店に足を運んでもらって売ること。

ゆごね(湯ごね)
お湯でそば粉をこねること。お湯を加える事によりそば粉のデンプンを糊化して粘性を引き出す。さらしな粉を生粉で打つとき等は湯ごねでないとつながらない。

ゆず(柚子)
薬味の一つで、強い酸味と香りが特徴。皮の部分のみ薄く削って使う。鴨南蛮や天ぷらそばに合う。

ゆだめ(湯だめ)
釜揚げうどんの事。

よつや(四谷)
通し言葉の一つ。4を意味する。また、四つ台(出前のときのお膳)を指す事もある。

よんたて(四立て)
三立てに一つ(そばの実の)採りたてを加えた物。

おそばやさんの用語辞典(ら)

るちん(ルチン)
そばに含まれる栄養成分。毛細血管の働きを安定・強化させ、脳出血や出欠性の病気に予防効果があるといわれている。

れいとうやけ(冷凍焼け)
冷凍庫に長く保管していたものが劣化し、色が変わったり、味が悪くなること。
いくら冷凍でも、扉を開けたり閉めたりする頻度が多いと冷凍品もやっぱり傷むのだ。

ろーらーめんき(ローラー麺機)
一般に蕎麦屋さんで用いられている製麺機。たまに、この機械に指を突っ込んで指を無くす人もいる。結構危ない機械なのだ。

ろーるせいふん(ロール製粉)
大きな二つの円柱を合わせたような製粉機で製粉すること。

おそばやさんの用語辞典(わ)

わか(若)
お蕎麦屋さんのご子息(=若旦那)。当然の話だがいろんな性格の人がいる。

わさび(山葵)
お蕎麦屋さんの三大薬味の一つ。お蕎麦屋さんで提供されるわさびは粉わさびを練ったもの、本わさび(入り)のチューブ、本わさびをすりおろしたものがある。辛みという点では粉わさびが一番辛いが、粉わさびの殆どは洋わさびとからしの混合で着色したものである。上品な辛みという点で、本わさびがやはり一番という事になると思う。ただ、粉わさびと本わさびでは値段の桁が違う。どこら辺でコストとの折り合いをつけるかという事になる。余談だがテクニックとしては粉わさびに大根おろしを混ぜて水で溶くというやり方がある。大根おろしのつぶつぶ感が粉わさびを本わさびっぽく見せる。

わりばし(割箸)
用語として解説するほどでもないが、使い捨ての箸。環境問題の観点からいろいろ問題を含んでいるかもしれないが、やっぱり蕎麦屋さんで食べるときには割り箸でなくっちゃ。ね。丸箸ではうまく蕎麦が箸に引っ掛からない。杉、白樺、ポプラ、柳、松、桧、竹などの材質がある。吉野杉が最も高級。変な箸が出てきたら臭いをかごう。薬臭かったら、漂白剤で白くした箸だ。
形状も様々で、小判、元禄、利休・・・、これだけで本が書けてしまうほどだ。